医師のキャリアアップと心構え

大きく二種類ある勤務医としてのキャリアアップ方法

医師として仕事をしていくときには、何らかの医療施設に勤務してそこで経験と実績を作っていくことになります。
一般的に医師の「キャリアアップ」というのは勤務医の昇進や昇給のことを指すことが多いためまずはそちらから説明をしていきます。

医師として勤務をする方法はいろいろありますが、中でもその組織内で行うキャリアアップができる場所として挙げられるのは「大学病院」と「市中病院」の二種類です。

この二つは似ているようで内部の仕組みがかなり異なっており、長く勤務をしていくことでできる昇進のステップも違っています。
具体的には大学病院の場合には一般医師からスタートし、順に助教、講師、准教授、教授というように一般大学と同じようなルートがとられます。

一方の市中病院の場合最初のスタートは医員としての立場からであり、そこから医長、部長、副院長、院長というように進んでいきます。
この昇進はいずれも自分が所属する医局や施設内の人脈によって推薦をされるということが多く、引き立てをもらうことで少しずつ立場を高めていくことができます。

目安としては大学卒業してからの仕事の節目をA~Fまでの6つのステージに分け、それぞれの節目ごとに昇進を目指していくというのが順調なキャリアアップのルートとなります。

組織によるキャリアアップは本当によいのか?

上記のようなキャリアアップ方法は、いわば医師としては古典的な方法であり一つの組織にずっととどまっていくということを前提にしています。
かつて大きな病院では当たり前に設置されていたのが医局ですが、現在では若い医師ほどあまり医局の拘束に従わず自由にキャリアを伸ばすという方法をとるようになっています。

逆に言うとそれまでは終身雇用を前提として医局に入るということが先で、やりがいや自分の適性などは後回しになっていたということです。

現在では医局に所属することのデメリットをはっきり意識して、最初から医局に入らない勤め方を選んだり大きな
病院には入らないという医師もいるので最初から「医師のキャリアアップとはこういうものだ」ということを決めつけず、自分の気持に従って適正を伸ばしていく努力をするべきと言えます。

かつての医師と異なり自分の心に正直に生きることができるというのは大変うらやましい環境にあると言えるかもしれません。

厳しくなる医療の現場の実態

しかし気持ち的なプレッシャーでは以前より恵まれた環境にあるとはいえ、反対に医療の現場全体をとりまく状況はかなり厳しくなってきています。
年々増え続ける医療費を削減するため診療報酬は減らされてきており、病院の経営も難しい状態が続いています。

全国では赤字経営に苦しむ病院も少なくなく、そうしたところでは患者さんの様子よりも病院経営に軸足をおいた運営がされているということもあったりします。

将来的に病院内でキャリアアップをしたり、自身で開院をするという場合にはそうした厳しい医療現場についてもよく知識を得ておく必要があります。
医師としての腕だけでなく、病院としてどういった経営をしていくかということの知識もまたこれから中堅医師としての立場を迎える人材には必要です。