病院経営の現状

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岐路に立つ病院経営

次から次にやってくる外来患者、夜勤、サービス残業など、病院で働く医師の業務はとてもハードです。
しかしこれまでは、それに見合う高収入も確保されていました。

ところが近年、病院経営が大きな岐路に立たされています。
以前は病院といえば、もうかる職業として知られていましたが、現在の病院は財政難に苦しみ、種々の経営課題を変えているところが少なくありません。

以前なら快く融資をしてくれた銀行も、近年では病院だからといって積極的な融資をしなくなりました。
かつてのように担保があれば比較的簡単に融資が受けられた時代は終わり、現在では経営状況が健全で将来性のある病院でなければ、銀行もお金を貸さなくなったのです。

病院は減少傾向にあり、診療所が増加

厚生労働省の調査によると2014年における病院の収支率は対前年比0.9%下落、病院全体の約25%が赤字であり、赤字病院数も前年より2ポイント増えています。

(参考サイト)
平成26年度 病院経営調査報告

この状況を改善するために、厚生労働省では病院経営の支援策を進めており、赤字経営の病院はやや増えているものの、倒産件数は減少傾向にあります。

経営が思わしくない病院では、まず経費削減が行われます。
病院経営に必要な経費で、最も負担が大きいのが人件費です。
2014年では病院収入の内55.6%が人件費に費やされています。

病院が人件費を削減すれば、医師は報酬の良い病院へ転職してしまい、医師が少ない病院には患者が来ないという悪循環が発生します。
病院が経営が悪化する原因はさまざまですが、医師の不足によって、求められる医療サービスが提供できないという状況に陥っている病院は少なくないのです。
また、収入源である患者の減少も、経営難の大きな要因です。

2013年のデータでは、わが国の医療施設数は17万9,855件で、そのうち病院は8,540件。
前年に比べ、25件の減少となっています。
逆に増えているのが診療所で、前年より376件増の10万528施設でした。

病院の減少に伴って病床数・入院患者数も前年より減っており、病床数は8,740床減少、1日あたりの平均入院患者数も0.9%減少しています。
また、1日の平均外来患者数も、0.6%の減少でした。

一方、病院に勤務する医師は約20万6,659人です。
このうち常勤の医師は166万6,134人で、前年より2,606人増加。
非常勤の医師は4万5,247人で、前年より約1,227人増加と、いずれも増加傾向にあります。

医療施設が長期的に安定した経営を続けるためには、経営上の課題が何なのかを明確にして改善に取り組むと同時に、中・長期的な視野から経営戦略を立てることが求められています。