歯科医師の転職事情

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歯科医が多すぎる!?

かつては裕福な職業として、人気だった歯科医師。
しかし、現在の歯科医に過去のような華やぎは見受けられなくなりました。

PRESIDENT Onlineの記事によると、歯医者さんの年収は、お医者さんの年収の60%にも満たない621万円です。
これは、歯医者さんの人気が高まった結果、歯科医師を目指す人が増えたからです。
石を投げれば開業歯科医にぶつかると言われるほど、個人経営の歯科クリニックも増えており、競争過多で経営状況は厳しいものとなりました。

PRESIDENT Online

しかし国家資格である歯科医は、医者や薬剤師と同じように6年制の大学で学ばなければ、国家試験を受けられませんから、学資も莫大です。
さらに、歯科医師の国家資格を主託した人のほとんどが開業しますから、開業費用も確保しなければいけません。

厚生労働省の発表によると、2012年における歯科医の数は総数10万2,551人。
また、2014年度に歯科大学が募集した定員は2,460人でした。
歯科医師が増えすぎるのを防ぐために定員が減らされたのですが、それでも毎年2,000人余りの歯科医が生まれている計算になります。

歯科医が増え続ける一方で、わが国の人口数は減少し続けています。
歯医者さんが増えすぎて、限られたパイを分け合うため、収入減に歯止めが掛からないのです。

歯科医師の供給過剰で、転職も難航

このような状況では、期待するほど収入が増えないのは自明の理です。
このため、一部の歯科医院をのぞいて、歯科医の年収は軒並み下落傾向にあり、経営状態の悪化で廃業に追い込まれる歯科医院も珍しくありません。
現在、歯科医師の20%は、年収が300万円に満たないと言われています。
多くの歯科医師が月給が少ない、給料に比べて勤務内容がハードすぎるといった理由で転職を考えています。

しかしながら、人材過剰による苦境に立たされている歯科業界ですから、転職事情も厳しいものがあります。
よほどがんばらないと、希望の転職先を探すのは難しいのです。

歯科医師の業態も変わりつつある

とはいえ、歯科医師の転職事情がお先真っ暗というわけではありません。
以前に比べて歯科医院の分院を任される管理職の募集や、常勤の歯科医の募集は減っているのですが、その一方で訪問治療の需要が高くなっているからです。

高齢者の人口が増えたため、歯科治療が必要な患者さんのうち、お年寄りの割合が、年々高くなっています。
お年寄りの中には高齢者向けの介護施設で暮らす人や、自宅で介護や病気治療を受けながら暮らしている人たちが大勢います。
介護が必要な高齢者は入れ歯や嚥下力の衰えなど、口腔ケアに関する問題を抱えていますが、自力で歯科医院に通うのは困難です。
多くの高齢者が歯の治療や、充分な口腔ケアが受けられず、食事が食べずらい、ものが呑み込みにくいなど日常生活に支障をきたしています。
そこで介護施設や自宅まで歯科医が出向き、治療や口腔のケアといった医療サービスを行う人材の求人が、目立つようになりました。
今後は、介護フィールドも含めた転職活動が活発になると考えられます。